放置老人の実態
高齢者のセルフ・ネグレクト(自己放任)が増えています。
心の病のケースもありますが、認知症の場合も多いとか。
それに伴い、ゴミ屋敷も年々増加傾向にあります。
人権や所有権にも関わることなので、第三者が容易く処分できません。
それでも解決の糸口をみつけなければ・・・


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体が思うように動かなくなる。連れ合いとの別れを迎える。収入が減り、家計が苦しくなる。そんな出来事を機に、人生を無価値だと感じる人が現れる。身の回りのことがどうでもよくなり、放置してしまう高齢者。そんな「放置老人」に陥るのを防ぐ術を考えたい。

 東京都内の女性(55)は関西にある実家を毎月訪れ、親を見守っている。その実家に異変が起きたのは、今年初めだった。

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 年明けに父が急死。すると、買い物や食事などでこまめに父の面倒をみてきた母(83)が、喪失感からか、何事にも手をつけなくなってしまったのだ。

 家の中は片付かずに散らかり放題。女性は帰省するたびに部屋を大掃除する。45リットルのゴミ袋3袋分を、一気に片付けた日もあった。今は、一人暮らしの母が心配で仕方がない。「ゴミの出し方は自治体によってルールが違い、休日に集積場に出せない。兄嫁にゴミ出しをお願いしたこともありました」と話す。

 お盆に実家へ帰省し、親の老いを改めて感じた人も少なくないだろう。けがや病気、夫や妻との死別など、老親の姿はさまざまな出来事を機に大きく変わる。

 ふさぎこんだり、掃除、洗濯、入浴など身の回りのことをやる気力を失ったり。周囲の支援も拒んで孤立し、やがて健康や生命も脅かされる。こうした状態は「セルフ・ネグレクト」(自己放任)と呼ばれる。チェックリストを参考に、異変に早く気づくことが大切だ。

 冒頭の女性の母のように精神的なショックを機に自暴自棄となると、セルフ・ネグレクトに陥りかねない。

 内閣府の2011年の調査によると、全国に約9千~1万2千人いると推計されるが、詳細はつかめていない。厚生労働省は自治体に対し、見守りなどの対応強化を呼びかけている。

 身の回りのことがどうでもよくなり、放置してしまう。いわば“放置老人”になると、周囲とのあつれきも高まる。その典型がゴミを片付けずに家にためこんでしまうゴミ屋敷だろう。


 高齢者が家にためこんだゴミを「これは財産だ」と主張すれば、第三者はすぐには片付けられない。悪臭などで近隣から苦情を言われると地域からも孤立する。

 ゴミ屋敷問題にいち早く取り組んできたのは、東京都足立区。8月時点で高齢化率は約25%と都内平均より高く、一人暮らしも多い。

 問題解決の専門部署「生活環境保全課」を12年に設け、近隣住民からの相談窓口を一本化した。道路管理、福祉、介護など行政の各部門が縦割りの壁を越えて協力するしくみを整えた。

 祖傳和美課長は言う。

「例えば、ゴミ屋敷の家主が認知症の高齢者ならば医師につなぐ。ゴミを片付けられなければ、ヘルパーさんにも入ってもらい、介護保険のサービスを使えるように担当部署と連携する。これまで苦情を受け付けると、内容によって様々な部署にたらい回しになることがありました。窓口を一本化することで、ゴミをためる原因を各部署と話し合って対策を講じています」

 13年には「足立区生活環境の保全に関する条例」を施行し、悪質なケースは強制撤去も可能にした。費用を捻出できない家庭には、審議会の同意を得て100万円を限度に支援する。

「条例には調査権を盛り込んでいます。身寄りがないと思われた高齢者のケースでも、調査権を使って戸籍謄本を閲覧して遠い親戚にたどり着き、解決できました」(祖傳氏)

 ゴミ屋敷対策への相談件数は、12年度から今年8月までで計691件。うち540件を解決した。これまで強制撤去の例はない。最終目的は、ゴミの片付けだけではなく、家主が人間らしい暮らしを取り戻すことに置いている。

 ゴミ屋敷をつくらないためには、一歩手前の“隠れゴミ屋敷”への対応も大事という。どういうものか。

「庭の木が小学生たちの通学路の邪魔になっている」

 近隣住民の苦情を受け、祖傳氏が70代の男性の自宅に駆けつけた。男性は認知症ではないようで、普通の受け答え。道路側に飛び出た枝を切り落とすうちに、異様な光景が現れた。木の葉で隠れて道路側から見えなかったが、敷地内に廃材などが積まれていた。

 祖傳氏は「塀にハシゴがかかっていたので、『ちょっと登らせてください』と上がると、敷地内は建設資材のゴミで埋まっていました」と振り返る。

 男性は建設関係の仕事をしていたため、廃材を自宅に持ち帰って保管していた。放置してたまり続け、いつしかゴミ屋敷に。男性は神奈川県内の甥の近くへ引っ越すことになり、自宅を売却して、撤去費用を捻出できた。

 こうした隠れゴミ屋敷の段階で気づけないと、本当のゴミ屋敷となってしまう。

 特別養護老人ホーム(特養)で現在暮らす80代男性の自宅は、かつてゴミ屋敷だった。

 今は家を取り壊して駐車場になったが、当時は自宅前のゴミから缶ビールの残汁などが異臭を放ち、虫やねずみがたかった。

 男性は元々商売を営んでいたが、妻に先立たれて店をたたんだ。生活費の足しにするため、スチール缶や鉄くずを拾い集めて自宅で保管したことが、ゴミ屋敷へとつながったようだ。

 片付けるように言われると、「近寄るな!」と男性は怒鳴る。「危ない人」と近所からも煙たがられるように。祖傳氏らは男性の娘に状況を説明し、一度はゴミを片付けてもらった。しかし、しばらくすると、またゴミ屋敷に戻った。

「精神科の受診を勧めても、服薬を管理できず症状が悪化していました。検査入院して認知症と診断され、ほかの疾病も発見。入院中に介護認定を受け、特養へ入居しました。男性を後日訪ねると、人が変わったようにいきいきとした笑顔。入居者のリーダー的存在になったようで、『よかったですね』と声をかけたら、にっこりとうなずいていました」(祖傳氏)

 この男性のように、身の回りのことの放置には認知症が関係する場合もある。

 記者が3年前に取材した神奈川県内の集合住宅のゴミ屋敷は、認知症の女性(当時72歳)が住んでいた。女性はその後、グループホームに入って穏やかな生活を取り戻したようだ。

 ゴミ屋敷だった当時、女性は見守りを兼ねた3度の配食を受け取ると、テーブル下にそのまま置く癖がついていた。夏場、食事が腐ってゴキブリがわいた。

 こうした女性の“放置”に気づいたのは、週3回通っていたデイサービスのヘルパー。玄関のドアを開けるとゴキブリがはい出ることがひんぱんにあったという。ヘルパーが女性の長女(当時30歳)に連絡し、事態が解決に向け動きだした。

 都市部は隣近所の付き合いが希薄になりがちだ。特に、マンションなどの集合住宅だと、周囲はなかなか異変に気づきにくい。

 行政だけでなく、高齢者のよろず相談窓口の「地域包括支援センター」や、ケアマネジャーやヘルパーなど介護の専門家が中心になって対策をとることもある。

 セルフ・ネグレクトへの転落や、ゴミ屋敷の発生をどう防ぐか。高齢者が示すささいなシグナルに周りが早く気づき、自治体などの支援につなげることが重要になる。

“放置老人”転落を防ぐ、異変察知の7つのチェックリスト

【1】ゴミや食べかすが、家の中に散らかり始めた。

【2】同じ服を着続けたり、入浴や歯磨きが億劫になったりしている。

【3】他者との関わりを拒み、家の中に引きこもりがちになった。

【4】家の中のにおいや、体臭がきつくなっている。

【5】病院受診や介護サービスを勧めても、「必要ない」と言い張る。

【6】金銭管理ができなくなり、家賃や公共料金を滞納している。

【7】失禁に気づかない、使用済みの下着やおむつを隠している。
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