遺品整理
人が亡くなると、かなり大量のゴミが出るようです。
遺品整理のプロが様々な観点から心得を解説してくれています。
身内の不幸に役立つばかりでなく、
自分自身、どういう環境で死にたいかを考えれば、
今を、どう生きるべきかのヒントになるかもしれません。
私自身は「身一つでキレイに逝く」・・・こうありたいと思ったいます。


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『遺品は語る 遺品整理業者が教える「独居老人600万人」「無縁死3万人」時代に必ずやっておくべきこと』(著:赤澤 健一)
遺品整理の仕事に従事している著者がこう記しています。

遺品整理の現場では、いまの日本人、あるいは日本社会の現実に直面させられる。多くの人が「一人で死んでいく」という現実だ。

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(略)いわゆる「孤独死」が、いまやなんら特別な亡くなり方ではなくなっているのだ。しかもこれからは、もっと増えることが予想できる。
避けようもない高齢化社会、その中で孤独死もまた増えていくように思えます。「特殊清掃」に従事する著者は孤独死のかたの遺品整理にもあたっていました。この特殊清掃はどのような内容の仕事なのでしょうか。

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「特殊清掃業(とくしゅせいそうぎょう)とは、清掃業の一形態である。一般には、Crime Scene Cleaners(事件現場清掃業)等とも呼ばれる清掃を指すことが多く、事件、事故、自殺等の変死現場や独居死、孤立死、孤独死により遺体の発見が遅れ、遺体の腐敗や腐乱によりダメージを受けた室内の原状回復や原状復旧業務を指す」(「ウィキペディア」より)

著者の仕事の内の特殊清掃にあたる業務は、全体の件数約5000件のうち、13%で650件ほどになるそうです。孤独死や自殺だけでなくゴミ屋敷や夜逃げの後始末も含まれる特殊清掃は「ある意味、現代日本の縮図」なのかもしれません。

東日本大震災から神戸に移住した男性の自死の話が載っています。その部屋を訪れた著者が見たのは「ガランとした室内」でした。そこからは少しも生活というものが感じられなかったそうです。被災地から離れて一人暮らしとはいえ、異常に少ない遺品、それらを目にして著者は、「移り住んではみたものの心の傷は癒(い)えなかったのかもしれない」とも感じたそうです。

ところで、通常だとどのくらいの廃棄物が出るかというと、「マンションの2DK、50平方メートルくらいで45リットルのゴミ袋120個分くらい、2トントラックで運ぶと3台は必要(略)3LDK、80平方メートルくらいでゴミ袋200個分くらい、2トントラック5台分以上」になるそうです。

「遺品整理の現場には、故人が生きてきたときの『生きる形』がそのまま残され」ています。大量に残された遺品はその人の生活の反映とでもいうものです。それは本人にはかけがえのない“価値”があったのでしょう。もっともどのような“価値”を秘めていても人はみな「ものを持っては逝けない」のですが。この本の後半は、こうして残された遺品を前にしてどう“片付けるか”がテーマになっています。

遺品整理に当たって重要なのは2点です。
1.これからの生活になくてはならないものかどうか。
2.生活にちょっと潤いを与えてくれるものかどうか。

1は当たり前ですが、2をどう考えるかで大きく変わります。なぜならそれが示しているのは、これからの生活のことであり、将来どのようになっていたいか、つまり「理想の自分生活」を考えることになるからです。

たとえば「趣味」というようなことがすぐに思い浮かぶかもしれません。けれど、それ以上に重要なのは残された自分の「家の中の行動原理」や「家の中の動線」を考えることです。

自分はどのように生活していくのか、家の中ではどのように生活行動・動作を行っているのかを考えることが大事なのです。
残された人が遺品整理に難渋する例がこの本に収められています。最大の原因は遺品整理が「突然にやってくるため、準備ができていないことが多い」からです。であるならば、生きている内に残された者のことを考えておくことも必要でしょう。「残されてこまるもの」を増やすより、身1つで逝くしかないことを踏まえて「住空間整理」をしておくべきなのです。

この本は、こうした“心掛け”を説いたものだけではありません。遺品整理の現場で見た相続のさまざまな問題をどのように解決するかを具体的に説いています。空き家となった不動産をどのように扱うべきか、相続税はどうなるのかなど、残された遺族が直面する難しさをひとつひとつ丁寧に解説しています。

高齢化社会とは「終わりかたを考える時代」でもあります。自分の生活と将来を今一度見直すためにもどのように「住空間整理」をすればいいのか教えてくれる、極めて実践的な1冊です。
https://goo.gl/J491YA